[深化するウイスキーの味わい] BIRDY. TABLE × Park Hotel Tokyo × The Scotch Malt Whisky Society

[深化するウイスキーの味わい] BIRDY. TABLE × Park Hotel Tokyo × The Scotch Malt Whisky Society

2019.11.01

今回はウイスキーの「味わい」にスポットを当て、パートナーバーであるパークホテル東京 ザ・ソサエティのバーマネジャー南木浩史氏と、BIRDY. マネージング・ファウンダーの横山哲也氏をお迎えし、ウイスキーの深化する味わいについて考察をしました。

常に変化するウイスキーの味わいを楽しんで頂くために、バーディ独自の研磨技術で生み出した特製デキャンタに注目。このデキャンタを使用することでウイスキーの持つ更なる味わいを探していきます。

デキャンタによる味わいの覚醒について

まずはこのデキャンタの誕生について横山氏は、「そもそもこのデキャンタはワイン向けのツールとして開発されたものですが、元ソムリエのバーデンダーがすでにカクテルツールとしてすでに製造していたミキシングティンにワインを注いでスワリングしたところ、ワインを開かせるのにも効果があると教えてくれたのが開発のきっかけでした。

デキャンタという名称ですが、静置するよりもスワリングすることで効果が発揮するので、扱いやすいデザインを形にしたいと思っていました。このデキャンタは香りが閉じたワインをエアレーションによって開かせますが、簡単に言うと通常30分から1時間かかる工程を、5秒で覚醒させることが出来ます。

変化についてはもちろんブドウ品種によって変わりますので、一概には言えませんが、スワリングの回転方向を右回りか、左回りでも味わいに変化をもたらします。

これは内側に施した精密研磨の目による効果だと考えていますが、ワインもウイスキーも同様で、この使い方によって様々な味わいの変化を生み出すことをウイスキーの皆様に楽しんで頂きたいと思っています。」

アルコール度数による回転数

「使い方は簡単で、アルコールをデキャンタに入れてくるくると液体と回転させます。アルコール度数が低いものは回転数を少なくした方がよいと思います。例えば、ワインや日本酒は2~3回、ウイスキーの場合は5~10回で味わいに変化がもたらされます。 但し日本酒ですと生酛造りのようなしっかりとした味わいがあった方が効果的に感じますし、ソサエティの場合はシングルカスクで、度数が高いので、ある程度は回した方がよいかもしれません。」と横山氏。

「このデキャンタでまず相性が良いと感じたのはスぺイサイド系のモルトウイスキーでした。キャラメル・バター・コーヒーなどのフレーバーがより強調されるように感じます。」とバーマネジャーの南木氏。「Birdyデキャンタの内面は磨ける最大限まで研磨されておりますが、ミクロレベルでは滑らかな凸凹になっているのでその部分とウイスキーの要素が接触することでウイスキーの味わいのバランスが大きく変化すると思います。右回り、左回りは凸凹の目に沿わせるか逆らわせるかという考え方で、スワリングすることでウイスキーの要素がそれぞれ変わっていくのではないでしょうか。」

ウイスキーの味わいの深化

「グラスを使うよりもこのデキャンタの方が味わいが多彩になるのでしょうか?」の質問に対し、「ウイスキーを注いだグラスがガラス場合、ガラスは何百度と熱せられて冷えていくときに、表面が平準化され、ミクロレベルで真っ平になり、研磨のような目もついていないので、右回り、左回りでの味わいの変化はそれほど変わらないかもしれませんが、このデキャンタは感じて頂けると思います。また、実際に開けたての味わいが固いウイスキーがこのデキャンタでスワリングすることで飲みやすくなったというご意見も頂きました。」とコメント。

実際のテイスティング

実際にスぺイサイドの特徴を表すボトル、コード「72.67」でスワリング右回し、左回をテイスティング。

橋本:「右回しのほうがボディが柔らかくなるというか、、、丸くなりますね。より樽由来のフレーバーが感じられ甘味も感じます。左回りはそうですね、トップノートが先ほどよりも強く柑橘系の香りが強調されてきます。」 「そうですね、右回りは研磨目に沿って回しているためウイスキーの味わいがスムースに感じて頂けるかと思います。左回りは研磨目と逆になるので他のフレーバーが生み出される可能性があると思います。」と横山氏。

続いて、アイラモルトの「53.269」をテイスティング。橋本:「これは面白いですね、右回りは明らかにピートの香りが広がって、まろやかにテクスチャーが変化しますね。左回りはモルティに変化してむしろ香りが落ちいてきます。」

「そうなんです。一概的には右回りの方が研磨目に沿っているのでフレーバーが豊かになる傾向がありますが、左回りでは新たな発見があります。正直、before/ afterで数値を比較したところほとんど変化がなかったので、この部分はまさしくお酒の神秘としか言いようがないです。」と横山氏。これには全員がうなずいた。

南木氏によるデキャンタ考察とソサエティ・カクテル

「バーテンダーにとってカクテルの作り方は大きく、シェイク・ステア・ビルド、この3つにスローイングの技法がありますが、改めてこのデキャンタの登場によって見直しが必要となりました。例えば、ウイスキーの水割りでスローイングをすると空気が入り込みすぎてしまいます。「はたして全てのカクテルに空気が入ることは正しいのか」という点が浮かび上がります。

そのため、素材と完全に一体化させる点においては、デキャンタを使うことをもう一つの技法として考えられるようになりました。また、面白い使い方としてはデキャンタを少し温めることで味わいが更に広がってきます。 今回、ブレンデッドモルトとして非常に優れた味わいを持つオールドファッションドをベースにこのデキャンタを使用したカクテルを作成いたしました。 特徴としては、シェリー由来の甘味、IPAカスクとビターズの苦みを、バーボン樽がまとめているような味わいです。

また、ポップビターズはポップを国内で入手し自家製のビターズを作りました。モルトウイスキーを好きな人はウイスキーカクテルを召し上がらない傾向がありますが、その先入観をこのカクテルでなくしていきたいですね。」

カクテル名:DNA Old Fashioned

  1. ソサエティ オールド・ファッションド 
  2. IPA エッセンス(パッションフルーツ、マイヤーレモン)
  3. ホップ・ビターズ(Citra)
  4. ハニーウォーター(Acacia)

  1. ソサエティ オールド・ファッションド、IPA エッセンス、ホップ・ビターズを混ぜ合わせておく。
  2. Birdyデキャンタに入れ、ハニーウォーターも加え、5回ほど回す。
  3. もう一度ハニーウォーターを加え、さらに5回ほど回す。
  4. 氷を入れたグラスに注ぎ、ステアを軽くする。
  5. ドライオレンジを飾り完成。

2時間以上にわたるインタビューで、ウイスキーという味わいを深く考察すると共に、その新たな味わいを生み出すウイスキーはまさに神秘的であることを改めて感じた1日であった。

南木氏によるデキャンタを使用したテイスティングセッションと、今回のボトルとオリジナルロゴ入りデキャンタ特別セットは11月17日(日)のウイスキーフェスティバル東京のソサエティブースにて先行予約、18日(月)よりオンラインにて限定販売致しました。ぜひ、この機会にお楽しみください。

Code 72.67

Code 53.269

オリジナルロゴ入りデキャンタ 
(写真はイメージです)

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